デッキ40枚の変動

●デッキは何枚が有利か?●
どもどもふるめたですー。
最近のデッキ傾向と対戦傾向を見ていて、
ふと、デッキの枚数が増えていることに自分自身気づきました。

そこで今の環境における「デッキ枚数」について考案してみようと思います。

初期から戦っておられるデュエリストの方々は熟知経験済みだと思われますが、
過去よりデッキの枚数は『40』枚にあわせるのが一般的主流でした。

各地域や特別なデッキ(デッキ破壊やテーマ等)においてはその限りでは
ないと思われますが、「スタンダード軸」等では極力40枚に
合わせる趣向がありました。


それには理由があります。
少ないほうが、より欲しいカードを引き当てられ、
勝利しやすい環境だったからです。
強欲な壷 を先に引いたほうが有利ですし、
王宮の勅命 を最初に引いたほうが勝利をつかむことが出来ました。


しかし最近、その概念が崩れてきているような気がします。

それは、『強力な制限カードが軒並み禁止になったこと』に加え、
『カード単体の強さよりも、戦術の強さが目立ってきた』からだと思います。


わかりやすく言いますと、制限カードを最初に引いたところで
得られるアドバンテージというのがかなり少なくなっているのです。

死者蘇生を最初に引いたとしましょう。
確かにそのカードは強力、圧倒的戦闘面で有利だと思います。
しかし、『それを使って逆転できる』可能性が今の場面、非常に少ないと感じたのです。


大嵐を引いても賄賂をされる。またはナチュルで止められる。
死者蘇生も弾圧や、DDクロウで止められる。
使えたとしても、シンクロで対処される。
ミラーフォースも、ブリューナクや大寒波で止められる。
強力なカードも、付け得なければただのカード。
それを使える場、使うべき場が狭まったのが現状です。

このような場面が、非常に多いと思います。


その影響はどう見てもシンクロです。本当にありg



昔は制限カードや補助によって、
『アドバンテージの損失のカバー』を行っていたため、
単純なカードの枚数の勝負だったので、
その一枚一枚が制限カードであればあるほど有利でした。(強力でしたし)


制限カードとは、どのようなデッキにも入るカードや強力なカードであることが
多かったです。


N・グランモールに関しては、
○グラビティバインドを抜けられる。
○相手のセットも関係なく戻せる。


このループで一切何も出来なくなるので敗北していたケースも多かったと思います。

しかし今の環境、

ロックデッキ→ブラックローズ
相手のセット→ブリューナク

さらにグランモールで戻したくないモンスターだった場合等


同じレベル6でゴヨウガーディアン

ロックを崩すのではなく相手のライフを直接狙いたい

同じレベル7でダークダイブボンバー

このように、シンクロをしやすく準備してあれば
N・グランモールのカバー範囲以上の動きが戦術として取れるわけです。

こうなってくるといくら強力な制限を引いてきたとしても
それをシンクロモンスターや戦術に対して『使用しなければならない』ような
状態になっている場合は、『相手の戦術』>制限カード というような力関係になります。
(大雑把に解釈するなら、ですけど;;)



つまるところ、シンクロすることでそのデッキが制限カードの威力を上回る戦術を
取れるならば、デッキ枚数は戦術によって増減させてもなんら問題ないと僕は思うんです。


ミラーフォースを先に引くことよりも、スターダストドラゴンを出すほうが
さまざまな制限カードや除去に対して対応できます。


光の護封剣やマシュマロンを除去するカードを入れるよりも、
損失無くブラックローズドラゴンの効果を使用できるような軸ならば、除去カードはあまりいりません。


いわゆる、『ガジェット理論』というやつです。
ガジェットデッキは、40枚以上の方が勝率が高いということが実証されています。
それは、『ドローでガジェットを引く枚数の確立を1〜2枚』に抑えることで、
効率よく除去カードを手札に加えることが出来るからです。


それと同じ、『緊急テレポート』軸のシンクロをメインとして動かしてる人やアンデットのシンクロの人は、
シンクロ召喚の完了の工程までで『デッキから何かしらサーチ』してシンクロします。


そのデッキの場合、欲しいキーが手札に来すぎることは返って戦術の遅延に繋がります。
効率よくデッキにカードを残しつつ、手順に沿ってデッキからサーチして落としていく、加えていくことで
その後のデッキの回転率と墓地を肥やしているんです。

ただ、単純にデッキ枚数を増やすということは、その分『カード同士のダブリ』という面でも
危険性は増します(例:緊急テレポート×2 クレボンス×2 が手札に来たり)


そういう危険性を下げるために枚数を落とせば来なくなり、増せば来すぎてしまう。
その葛藤と僕もずいぶん長い間戦ってきました。

スターダストドラゴン/バスター等でいえることですが、当然デッキ40枚だとバスターが来る確率は
上昇します。

それを
○『手札に来たときにどう対処するか』
○『手札に来ないようにどう対処するか』


を考えてデッキを作っているか、どうかです。
大会でめまぐるしい功績を残した、スターダストドラゴン/バスターのデッキである
『ゾンビバスター』は、スターダストドラゴンをゾンビキャリアで戻すことによるディスアドを踏まえた上で
アドバンテージを取れるように組まれていました。


単純にデッキに40枚カードをつぎ込んでいるわけでもないでしょう。
『このモンスターが欲しい』と思えばサーチカードを入れますし、
このカードは墓地にあればいい という人はおろかな埋葬やライコウでより高確率で
墓地に送る方法を考えておられると思います。


僕の場合は御察しのとおり、『カードトレーダー』と『手札抹殺』です。
このカードは、初期手札をより安定させるため、また、シナジーを生むカードを
よりそろえるために入れています。例外はありますが、雲デッキではほぼこれは
搭載しています。


雲の場合は、ダブった雲とサイキックモンスターと緊急テレポートを
デッキに戻して活性化させるため、そしてドゥローレンで戻したカードをアドに変えられることと、
攻撃力上昇に貢献できる永続魔法なために『カードトレーダー』を入れてます。


また、スモークボールやリミットリバース、シンクロのために墓地へ送るため、
そして相手の手札のキーカードを落とすため、ドゥローレンで大量に戻してアドバンテージに変えるために
『手札抹殺』を入れています。


1枚のカードではディスアドバンテージでしょうが、戦術によってアドバンテージに変わります。
ハンデス絶頂期が過ぎ去ったことで、各所有できるアドバンテージは平均5,6枚になりました。

その分、ドローカードは軒並み禁止や制限になり、またあったとしても2:2交換のものや、
墓地のカードを戻すことでアドバンテージに変えることが多くなりました。

つまるところ、その平均5、6枚で相手の戦術を打ち破る必要性があるわけです。
欲しいカードを、手札に引いてきたいですよね。

このときに、その欲しいカードが何枚かによると思います。


とある組み合わせの中2枚があれば動く場合、その戦術を極力長く継続させていくことが
勝利へと繋がることがあります。


アンデットがいい例です。
デッキのカードをサーチし、ブリューナクで戻し、その工程をより無駄なく行うことで
アドバンテージを稼ぎます。

手札にダブったカードはゾンビキャリアで戻し、その戻したことで失われるアドは馬頭鬼と
ゴブリンゾンビで補う。その時に戻したカードをサーチしている場合もあります。

こうすることで、
デッキ枚数が40枚であっても『デッキにいて欲しいカードをデッキに戻すこと』が戦術の中で
行えるため、アンデットシンクロは極力40枚に近づけておられるのだと思います。
かつ、欲しいカードは40枚のため来やすい。


欲しいカードをより早く引くために40枚に近づけ、それによって発生する各シナジーのすれ違いは
その戦術、勝利パターンが補っている。

故に、このデッキは強いのだと思います。

これに勝てない理由としては、各シンクロモンスターによって戦術が崩される場合、
とあるカードによって戦術が崩される場合のデッキであることがほとんどです。


ゴヨウガーディアンによって軸を壊される人も多いでしょう。
でもそれは言い換えれば、『その工程を取り返すためにディスアドバンテージを追わなければならない』
からに他なりません。

問題なく除去できる方は、そこまで悲観的になってはいないと思います。
生還のアンデット軸や、大寒波でジャッジメントドラグーンが打てる場合は、
関係ないわけですしね。



…さて少々脱線しましたが、なぜこの考案をしようと思ったのか。
それは、HEROデッキを組んでいて思ったからです。
デッキの性質上、融合が多数を占めます。すると、そのディスアドバンテージを
補うために融合回収や、また手札事故を防いで効率よく融合するために沼地の魔神王。
そうしていくとデッキが膨大な量に膨れ上がってしまいます。


その事故を許容することで爆発的な展開力を得られるのですが、
それが今の環境でどう働くかということをデッキを組む上で思っていたのです。


デッキを40枚にし、一気に展開すれば確かに速い。
しかしながら、そのためにエアーマンをサーチするために入れた増援が、
ピンチの時にはあまり有効に動かない。また、対象がいない。
かつそうかといって貪欲な壷を入れた場合、初期に貪欲が来た場合に
相手に一歩遅れてしまう。

また、連続して融合することに長けている融合回収の条件を
壊してしまうかもしれない。


その分の事故率については同じく手札抹殺等で補ってはいたんですが、
いかんせん、『打たれ弱い』ことが痛手でした。
魔法が多く占めている為、ナチュルビーストが出れば終わりますし、
弾圧されたらそれで負けです。
また融合してから攻撃し、それが破壊された場合の防御が弱いのです。
元々融合に3枚ほど使用し、かつそれを補う防御カードを入れると
その枚数が相手のブラックローズシンクロ<失ったアド
になってしまったからです。


故に、的確なタイミングで攻撃を加え、それ以外は防御する。
しかし場に素材を出すと除去されてしまう。
でももうデッキが40枚。
手札事故も多く、やはりここまでなのか…


そう思っていたとき、ふと、『なぜデッキ40枚にこだわっているのか』という
ことを考えたわけです。
そこからは、思い切ったデッキ枚数増加を取りました。


安定性を上げるためにエアサーキュレーターを投入。
そのダメージを回避するためにガードブロック。

敗北原因が、ラッシュを止めれなくて一気にライフを持っていかれること、
そして手札が事故を起こして動けないこと。

この二つを、これらで止めてみようと考えたのです。

結果デッキ枚数は49枚になりました。
しかしなんと、安定性と防御力が以前とは比べ物にならないくらい上昇しました。


単純にデッキ枚数を増やしたのではなく、
『他のカードを引いたり、引きやすくするために枚数を増やす』ということを
ようやく肌で実感することが出来たのです。

無意識にモンスター20枚、魔法・罠20枚で組んでおり、
またそのバランスで勝利できるようにデッキパターンを作っておりました。

しかしこのように、今の環境、制限カードを引き寄せることなくとも、
『円滑なまとまった戦術が取れる』のであれば、デッキ枚数の有利性はほぼ存在しないと
思います。

いえ、かつてから存在はしていなかったのでしょう。ただ、長期に続いたハンデス絶頂期の
戦術構築がやはりまだまだ染み付いていると実感しました。
初手に『押収』を引くことが、どれほど重要だったか。
ロックバーンに対してお触れを引くことがどれほど重要だったか。
古参プレイヤーの方ほど、この概念に縛られている場合があります。
もしそれらの方に、この40枚以上のデッキで勝率が上がったという事実。
そして制限カードとして指定されたときの環境と今の環境が同じかどうか。
そこをもう一度見ていただけると、幸いです。

◆『自分の求めるもっともよい手札は何か』
◆『3枚入れるのであれば、それは「3枚手札に来て欲しいのか」、「1枚ずつ来て欲しくて、3枚入れる」のか。』
ただ単に枚数を減らして調整するだけではなく、色々な戦術にあわせて1枚、2枚、そしてデッキ枚数が何枚。

シンクロは大きく環境を覆しましたが、その分より考える戦術は奥深くなったと僕は思っています。
今まで目が行かなかった部分に目をやらねば勝てないということ。
ルールのスキや、戦術を付かねば勝てないこと。

とある強力なデッキのレシピを見れば、そんなことも考えずに組めるかもしれません。
しかしながら、それでは上記◆のような奥深い戦術まで捕らえることは難しいです。
逆にいえば、それらを捕らえずとも動ける、わかりやすいデッキであるという長所でもあります。

自分が『最強』と思えるデッキは、レシピを見てわかるもの、わからないものがあります。
デミスドーザーやシルミルのときも、実際の強さを見るまではやはり皆どこが強いのかわからなかったと思います。


デッキ40枚の概念を崩すというのは、自分の今まで見てきた環境を自ら塗り替え、バランスを自分で見つめなおす
ことにもなると思います。


最近の環境ですと、デッキ40枚で手札事故をなくす場合、チューナーは間違いなく
ゾンビキャリアがオススメです。

シンクロしやすいレベル2に加え、手札事故を好きなタイミングで回避することが出来るからです。
単純にするとアドバンテージにはなりませんが、そこは戦術次第。
ダッシュガイを落としたいときに手札にきた場合、
ゾンビキャリアで戻して、終末の騎士で落とし、そこからゴヨウへ。といった
見えない部分での手札事故回避が行われているわけです。

故にそれをメインとしたアンデシンクロ、切り札のダムドを搭載した闇デッキは、
手札事故もなく戦術一つ一つが強力でアドバンテージを失わず、
1ターン1ターンを制限カードで対処しきれないため、今現環境支配しているのです。

しかしそれがわかれば、対処もあります。
どうなってくれないと、相手は動けないのか。
すると、動き出す前に止めることや、相手の動きによって何が欠けていてあせっているのか
がわかります。

っと、最近の使ってるデッキの枚数が40枚をよく超えるようになり、それでいて勝率が
あがっている、安定性が増した場合があったのでここに書き記しました。

何かのご参考になれば、幸いです。

09.1.11 ふるめた