くず鉄のかかし

●今回の考案●
もはやシンクロの代名詞として大活躍の一枚、ゴヨウ・ガーディアンについて考案したいと思います。

ネット上でシンクロが苦手、嫌いと書かれている方には、このカードのせいと言われている方も
おられます。

レベル6で2800の破格のステータスを持ち、相手のモンスターのコントロールを奪取する
恐ろしい能力を持っています。

戦闘破壊がそのままアドバンテージ+2以上に結びつく可能性をもっており、
かつ手札事故にならないシンクロモンスターなのが特徴です。


まずはシンクロの特徴をあげてみましょう。

○手札事故要因にならない。
○状況に応じて、他のシンクロモンスターにもなれる(常に最善の状況に場に君臨させることが出来る。)
○相手の上級モンスターを破壊でき、かつコントロールを奪取できる。
○チューナー、及び素材を指定しない。


主な長所はこれくらいでしょうか。
上級モンスターにある弱点の一つ、手札事故が存在せず、
かつ状況が揃えば瞬時に特殊償還できる汎用性があります。

このカードの存在により、ロックや低攻撃力主体のデッキであっても、
チューナーと調整することによりビートダウンを押さえ込む戦術も取れるようになりました。
また、時間差で発動するドルドラや、カースオブヴァンパイア、ディスクガイ等のモンスターを
相手の効果をかき消した上でアドバンテージとしてこちらに持ってくることが出来ます。

破壊対象とされるモンスターが強ければ強いほど、奇襲性で逆転された際の切り返しは難しくなります。
デッキのエースモンスターが破壊された上、コントロールを奪取、しかもどんなデッキでも投入できる。

かつてから遊戯王は、「どんなデッキにも投入できる」カードが忌み嫌われる傾向がありました。
私も色々なブログや考案、知人との会話をしていますが、

その中でも嫌われているのがグランモールやスナイプストーカー、ダークアームドドラゴン、裁きの龍等、
が上げられます。

すべて場を逆転できる可能性があるカードであり、
戦術が崩されるカードでもあるからだと思います。

強力なフィニッシャーや、場が作られたら打破できない状況
、 自分が必死で作ったデッキが何も出来ず、その状況で負けていれば誰もが忌み嫌うと思います。

しかしながらそこであきらめてしまっては、勝てる可能性も見出せなくなります。
「自分がこの状況ならあのカードを入れる。」

というまず環境下でありえる最悪の状況を考慮します。
その状況を、自分も環境に従い同じ方法で対処するか、
デッキタイプに合わせてその状況を作る要因を封印したり、裏の裏をかく戦術を立てるか。

アドバンテージ面で考えると難しいですが、
デッキ全体の戦術を考えると、パワーカードにも以外に弱点が多いものです。

それでは、ゴヨウ・ガーディアンの考案に戻ります。
カードの性能としては、2800のコントロール奪取モンスターです。

ではこのカードの登場方法は何か。
いわずもがな、チューナーと場を揃え、優先権を放棄した後の特殊召喚です。

○チューナーをそろえる。
○エクストラデッキにこのカードがある。
○特殊召喚できる状況にある。

出現自体をとめるには、上記3種の条件のうちいずれか一つでも阻止できればいいわけです。

○チューナーをそろえる。

  一番対処しやすい条件は、こちらだと思います。
シンクロ召喚にはチューナーが必要不可欠。
加えてこのカードの場合、レベル6に合わせる必要性があります。

場のモンスターを常に除去し続けるのも手ですが、
  それは今の場の展開力を考慮するととても対処し切れません。

加えて、レスキューキャットからの高速展開で1ターン目で登場することも多々あり、
対処に手間取っている内に墓地やその他のアドバンテージ面で遅れを取ることになります。

今後シリーズによっては、「チューナー」群そのものを対処するカードが登場し、
チューナーの召喚自体が難しくなる状況になれば、おのずと対抗策は増えると思います。

(効果モンスターが増えつづけることで、スキルドレインの強さがあがったように)

出現までの工程が一定であれば、カード作成側も強力なメタカードを作成することが出来ます。
今後のカード登場によっては、大幅にこの条件を食い止めることが出来るようになると思います。

08.7.31現在、最もこのシンクロ召喚自体を食い止める方法は、トーナメントデッキを見ることで
おのずとわかると思います。

■月の書(優先権を破棄しないとシンクロ召喚の手順を踏めないため、相手の条件が整った後の優先権の破棄時に
     発動し、対象となるシンクロ素材を裏側にすることでシンクロ召喚を防ぐことが出来ます)

■神の宣告(ライフアドバンテージよりもカードアドバンテージが優先される中、非常に優秀なカードです。
      シンクロ召喚自体をカウンターでき、また召喚自体も無効にしているため墓地からの蘇生も防げます。)
さまざまなカードがデッキのキーとして動いている中、万能にどんなデッキの中核もとめることが出来る、
現環境の必須カードです)

■奈落の落とし穴、サンダーブレイク他

     (シンクロモンスターはすべて奈落に落ちる攻撃力を持っています。
また、高攻撃力のチューナーや素材の特殊召喚に対しても発動でき、今の高攻撃力の環境で
メインから投入できます。サンダーブレイクなどのフリーチェーン罠も、手札アド1枚を失いますが、
召喚後のディスアドバンテージで不利になると判断した場合や、損失アドを取り戻す戦術が
ある場合は優秀です。)

総じて今回のフロンティア様のトーナメント情報は、上記3種がほぼ詰まれていたと思います。
言わずもがな、誰もがやはりシンクロ召喚を対策しているといえます。

しかしプレイする側も負けてはいません。
手札事故がなく、汎用性にとんだシンクロモンスターをうまく使うため、大寒波が投入されてきました。

そう、シンクロをとめるには相手のターンに動ける状態ではないといけません。
モンスター効果は永続や誘発即時以外は発動できないため

これらのメタカードは大寒波で封印することが出来ます。

となると次は大寒波を防ぐ状況を考えることになり、延々とメタの張り合いになります。


組み込むにしても組み込まないにしても、シンクロは戦術の一つとしてすでに確立しています。
どれだけメタをはるか、それはデッキタイプや環境によって変わると思います。

メタを貼りすぎると他の戦術にたいしての弱点も強まります。

今の環境、通常魔法が減っている傾向にあるのは、シンクロの存在と大寒波の存在が多いと思います。
自分のターン動くことよりも、相手のターンをいかに耐え切るかが課題となっています。

昔はじわじわと逃げ道をなくして相手を追い込むのが戦術でした(ハンデスが流行っていた時期)

しかし今は、ほんの数枚で一気にライフを0にまで持っていかれる環境にあります。
どんな速攻デッキでも、相手の一瞬の戦術を止めれなければ一気にアドバンテージを失う
環境になってきました。

さて、では残りの二つです。

□エクストラデッキに存在している。

  これは一番今対処しにくいと思います。
シンクロを採用しているデッキは、おのずと2枚はゴヨウが眠っていると思ったほうがいいと思います。

これに関しては08.7.31現在は有効な対策はありません。
しかし今後より強力なシンクロや

  エクストラデッキ自体を破壊してくるカードが登場しないとも限りません。

それらのカードが登場し、環境やデッキタイプにあえば
この工程を対処しやすくなると思います。


□特殊召喚できる状況にある。

  これは、自分のターンに場を完成させておくという意味です。
出しても無駄、無理という状況を整えておくのです。

奈落の落とし穴がある。神の宣告がある。
はたまた特殊召喚が行えない。

これは今の環境では難しいかもしれません(場が一瞬でリセットされやすい環境であるため)
  しかし古参プレイヤーにとってはこれが一番対処しやすい方法だと思います。

  アドバンテージでじわじわと責めていったかつてのハンデス全盛期を生き延びたプレイヤーは、
この戦術がおのずと身についているはず。(最低限のカードで戦線を維持する戦術)

  経験が多様であればあるほど、おのずとそういった状況を作らないようにプレイングできると思います。

総じてまとめになりますが、
シンクロとゴヨウで何が変わったのかを考えて見ましょう。

下級モンスターの使い方。

  下級モンスターと下級モンスターでのアドバンテージの取り合いが
難しくなってきました。

下級で優秀な素材を使っていればいるほど、ゴヨウの損害が大きくなります。
シンクロでパワー不足を補い、手札事故を抑制する場合は、
リクルーターや耐性を持った下級が採用されています。

チューナーでいえば戦闘破壊を防ぎ、緊急テレポートで呼び出せるクレボンスや、
ダークリゾネーター
素材で言えば、各種リクルーターやサーチャー、リバースによってアドを取れるライコウ等
が流行ってきています。

特殊召喚できるヘルブラットや不死武士も優秀です。

リバースでアドを取り、リクルーターでアドを守る。
そこからシンクロに繋げてさらに場を制圧していく。
昔のように、1800ラインで攻め立てるには厳しい環境になってきました。

攻撃力のインフレ

  かつて下級は1900、上級は2400ラインが主流でした。
  それゆえ上級をいかに損害なく除去していくかがメインであり、
ならずや異次元女が制限だった環境です。

サイバードラゴンに戦闘で破壊されることによってアドバンテージが−になる場合、
サポートを駆使したりデッキ自体でそのアドを取り返せないようなら今の環境で勝つことは出来ません。

また収縮の存在により、カード耐性のない上級は場に存在するのも難しい環境になっています。
ゆえに高攻撃力や、大量のアドを生み出すカードが増えているのだと思います。

ゴヨウが登場したことで、2800以下の戦闘破壊によってアドが失われる存在は
環境を制覇しづらくなっています(シンクロでアド−1、戦闘破壊でアドを取り返せるため)
かならずこれらのモンスターを使用する場合は、サポートできる環境にしておきましょう。

総じて今まで登場したいくつかのシリーズは独自のサポートにより強力な場を展開しています。
逆に言えば、そのような展開が出来ないデッキは一般的スタンには勝ちにくい環境になったといわざるを得ません。

魔法・罠の封印

  一気に場を制圧できるシンクロをよりうまく展開するには、魔法・罠の除去が必要不可欠です。
モンスター破壊は、シンクロや効果モンスターに頼ればいいのです。

その後、シンクロすればさらに追撃が出来ますしね。

ゆえに今の魔法・罠は、そういった「モンスター除去、戦闘補助」及びそのメタで
回っています。

つまり魔法・罠を封印すればモンスター除去や破壊手段が大幅に減るのです。
一部シンクロ関連での打破は可能ですが、

1ターンに一度の召喚件をいかにうまく運用するかがカギとなってきています。

モンスターの召喚と展開の面で優位に立つには、自分の召喚と展開をジャマされないように
する必要性があります。

故に大寒波が流行った理由がここにあると思います。
効果モンスターが軒並み強力になり、魔法・罠が軒並み戦闘補助やモンスター破壊
メインになりつつあるので、みんな
それらをいかに除去していくかを戦術に取り入れてきています。
プレイング

  ゴーズがあった状況では何も伏せないという戦術が取れましたが
今はそのゴーズをゴヨウですぐに除去できるようになりました。

故に、魔法・罠をセットしてターンエンドという流れがすでに定着してきています。
ゴヨウガーディアン登場により、サポートなしで上級を置いておくという状態が
非常に危険になり、ゴーズの奇襲性だけでは対処しきれなくなり、
薄れてきた証拠だと思います。
黄泉ガエルもそれに伴い、活躍の場を離れていくようになりました。

   特殊召喚時にアドを生み出すカードは、ゴヨウを経由して相手にアドを渡してしまうことになります。
その場合は必ずサポートを。(エアーマンや、ディスクガイ)


全体的に、一瞬で高攻撃力を作り出すカードを徹底的に対処しています。
アドバンテージの価値が昔とは変わってきました。防御後の反撃がよく見られます。

また手札は常に4枚前後をキープして、緊急の状態に備える場面も見られます。
相手の手札や戦術により、伏せカードが何かを大体読めるようになっています。

戦闘破壊される前にゴヨウやシンクロモンスターを除去できればそれはこちらのアドに繋がるため、
その、アドを失う可能性を常に考え、対処していくことが必要だと思います。

  
また、相手のターンでの防御が必要になってきたので、
必然的に黄泉ガエルが出しにくくなっています。

魔法罠をよくセットする場合、こちらのシンクロに対しての警戒があり、
かつ黄泉ガエルでのアドを狙わず、上級モンスターが少ない可能性があると読めます。

  プレイングに関しては可能性は多々ありますが、
半年前とは大きく変わってきています。

  今の制限カードは「強力な効果をもつ」カードではありますが、
「どんなデッキにも入るカード」ではなくなってきました。

遊戯王においてもっとも必要なのはデッキとにシナジーです。汎用性があるものはより
さまざまなカードとシナジーします。